空港に着いてから「ネットどうしよう」は、もう遅い
海外旅行の準備で、パスポートやホテルの予約は早めに済ませるのに、現地の通信手段は後回しにしがち。空港のWi-Fiレンタルカウンターに長い行列ができているのを見て、焦った経験がある人も少なくないはずです。
実は、海外での通信手段は2024年頃からeSIMの普及で一気に選択肢が広がりました。従来のポケットWi-Fiやプリペイドの物理SIMに加えて、スマホの設定画面だけで開通できるeSIMサービスが続々と登場しています。料金もかなりこなれてきていて、1週間のアジア旅行なら500円台から使えるプランまであるんです。
ただ、選択肢が増えた分「結局どれがいいの?」と迷う人も増えています。今回は、海外SIM・eSIMの主要サービスを料金・使いやすさ・対応エリアで比較しながら、渡航先や旅行スタイル別の選び方まで整理しました。
そもそもSIM・eSIM・Wi-Fiレンタル、何が違う?
物理SIMカード
渡航先の通信会社が発行する小さなICカードを、スマホのSIMトレイに差し替えて使う方法です。現地の空港やコンビニで買えることが多く、東南アジアでは1週間300〜500円程度と圧倒的に安いのが強み。
ただし、SIMトレイを開けるピンが必要だったり、元のSIMカードを紛失するリスクがあったりと、慣れていないと少し手間がかかります。最近はeSIM対応スマホが増えてきたこともあって、あえて物理SIMを選ぶ人は減ってきている印象です。
eSIM(イーシム)
eSIMは「embedded SIM」の略で、スマホに内蔵されたデジタルSIMのこと。QRコードを読み取るか、アプリからプランを購入するだけで回線が開通します。物理的なカードの差し替えが不要なので、日本にいるうちに設定を済ませておけるのが最大のメリット。
2026年現在、iPhone XS以降・Google Pixel 3a以降・Galaxy S20以降など、ここ数年のスマホはほぼeSIM対応済み。ただし、一部の格安スマホや古い機種は非対応なので、出発前に自分のスマホが対応しているか確認は必須です。
ポケットWi-Fi(Wi-Fiレンタル)
小型のルーターを持ち歩いて、Wi-Fi経由でネットに接続する方法。複数人でシェアできるのが利点で、家族旅行やグループ旅行なら1台で済むのでコスパが良くなることもあります。
デメリットは、端末の充電が必要なこと、荷物が増えること、そして返却の手間。正直なところ、1人旅やカップル旅行ならeSIMのほうが圧倒的にラクです。
eSIM対応の確認方法
iPhoneなら「設定」→「一般」→「情報」で「EID」の項目があればeSIM対応。Androidは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」で「eSIMを追加」の選択肢が表示されるか確認してください。
主要eSIMサービス5社を比較
2026年時点で利用者が多く、口コミ評価も安定しているeSIMサービスを5つピックアップしました。
Airalo(エラロ)
世界200以上の国と地域に対応している、eSIMサービスの代表格。アプリのUIが直感的でわかりやすく、海外eSIMが初めてという人にも使いやすいです。料金は渡航先によって幅がありますが、韓国7日間1GBで約450円、タイ7日間1GBで約500円といった価格帯。
SNSでの口コミを見ると「設定が簡単だった」「到着後すぐ繋がった」という声が多い一方、「データ容量が少なめのプランだとすぐ使い切る」という指摘もちらほら。動画をよく見る人は余裕を持ったプランを選んだほうが安心です。
Holafly(オラフライ)
データ無制限プランが充実しているのが特徴。ヨーロッパ周遊や長期滞在で、データ残量を気にしたくない人に向いています。ヨーロッパ5日間の無制限プランが約2,700円、アメリカ7日間で約2,900円。
ちなみに「無制限」と言いつつ、一定量を超えると速度制限がかかるサービスもある中、Holaflyは比較的しっかり無制限を維持してくれるという評判。とはいえ、テザリング(スマホを他の機器のWi-Fi代わりにする機能)は非対応のプランが多いので、PC作業が多い人は注意が必要です。
Ubigi(ユービジー)
フランスの通信会社が運営するeSIMサービス。ヨーロッパでの通信品質に定評があり、速度の安定感を重視する人に人気があります。料金はやや高めで、ヨーロッパ10日間3GBで約1,800円ほど。
個人的に推したいポイントは、Windows PCにもeSIMを入れられること。出張でノートPCからもネット接続したい場面では重宝します。
trifa(トリファ)
日本発のeSIMサービスで、アプリが完全日本語対応。サポートも日本語で受けられるので、英語に不安がある人には心強い選択肢です。料金は韓国3日間1GBで約490円、ハワイ7日間3GBで約1,980円。
2025年後半から対応エリアがかなり拡大していて、以前は弱かったアフリカや南米もカバーし始めています。アプリのレビューも4.3以上をキープしていて、安定感がある印象。
きもちeSIM
こちらも日本語対応のサービスで、料金の安さが目を引きます。韓国3日間1GBで約350円、台湾5日間3GBで約680円と、とにかく安く済ませたい人向け。
ただ、対応エリアは主要な観光地に限られていて、マイナーな渡航先だと使えないこともあります。サポート体制もAiraloやtrifaに比べるとやや薄い印象なので、eSIM慣れしている人向けかもしれません。
比較表でまとめると
| サービス | 料金目安 | 対応国数 | 日本語対応 | 無制限プラン |
|---|---|---|---|---|
| Airalo | 約450円〜 | 200+ | アプリ一部対応 | なし |
| Holafly | 約2,000円〜 | 170+ | あり | あり |
| Ubigi | 約1,000円〜 | 190+ | なし | なし |
| trifa | 約490円〜 | 195+ | 完全対応 | 一部あり |
| きもちeSIM | 約350円〜 | 100+ | 完全対応 | なし |
渡航先別、こう選べば間違いない
韓国・台湾(2〜5日間の短期旅行)
アジア近距離の短期旅行なら、正直どのサービスでもハズレは少ないです。料金重視ならきもちeSIMかAiralo、日本語サポートがほしければtrifa。
韓国は地下鉄でも電波が入りやすく、eSIMとの相性が良い国のひとつ。1日1GB程度あればマップ・SNS・翻訳アプリは問題なく使えます。逆に台湾は夜市の地下街など一部で電波が弱くなることがあるので、心配なら少し多めの容量を選んでおくと安心。
ヨーロッパ周遊(1〜2週間)
複数国をまたぐヨーロッパ旅行では、「周遊プラン」があるかどうかがサービス選びのカギ。国ごとにeSIMを買い直すのは面倒すぎるので、EU全域で使えるプランを選びましょう。
データ容量を気にせず使いたいならHolafly一択。コスパ重視ならAiraloのヨーロッパ周遊プラン(30日間5GBで約2,000円前後)も悪くありません。現地でGoogleマップをフル活用する人は、意外とデータを消費するので無制限プランが精神的にラクです。
アメリカ・ハワイ
アメリカ本土は国土が広い分、都市部と郊外で通信品質の差が大きい国。eSIMサービスが接続する現地キャリアによって体感速度がかなり変わります。
口コミベースだと、Holaflyのアメリカプランは比較的安定しているという声が多め。trifaのハワイプランは日本人利用者が多いだけあって、トラブル時の情報が見つかりやすいのも地味にありがたいポイントです。
東南アジア(タイ・ベトナム・バリなど)
東南アジアは物理SIMが驚くほど安い地域。現地空港で買えば数百円で1〜2週間使えたりします。なので「eSIMにこだわる必要ある?」という声もあるのが正直なところ。
とはいえ、到着後にSIMカウンターを探す手間や言葉の壁を考えると、日本で事前に設定できるeSIMのメリットは大きいです。タイなら空港のAISカウンターで物理SIMを買うのも簡単ですが、ベトナムやインドネシアは手続きが煩雑なことがあるので、eSIMのほうが安全策と言えます。
中国本土への渡航は要注意
中国ではGoogleやLINE、Instagramなどが規制されています。一般的なeSIMサービスでは、これらの規制を回避できないことがほとんど。中国渡航の場合は、VPN付きのeSIMサービスや香港SIMの利用を検討してください。
eSIMの設定手順と失敗しないコツ
基本的な設定の流れ
eSIMの設定は、慣れてしまえば5分もかかりません。大まかな流れはこうです。
- eSIMサービスのアプリまたはWebサイトでプランを購入
- QRコードまたはアクティベーションコードを受け取る
- スマホの「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」からQRコードを読み取る
- データ通信に使う回線をeSIMに切り替える
- 渡航先に到着したら、eSIMの「データローミング」をオンにする
ポイントは、Wi-Fi環境がある日本にいるうちにステップ3まで済ませておくこと。現地到着後はデータローミングをオンにするだけで繋がります。
よくある失敗パターン
「eSIMを買ったのに繋がらない」というトラブルで多いのが、データローミングのオン忘れ。eSIMの場合、海外の回線に接続するにはデータローミングをオンにする必要があります。これはeSIMプラン内の通信なので、キャリアの高額なローミング料金が発生するわけではないのでご安心を。
もうひとつ多いのが、元のSIMのデータ通信をオフにし忘れるケース。主回線のデータ通信がオンのままだと、eSIMではなく元の回線で通信してしまい、帰国後に高額請求が届くことがあります。出発前に主回線のデータローミングをオフにしておきましょう。
設定チェックリスト(出発前)
1. eSIMプランを購入・インストール済み
2. 主回線(日本のキャリア)のデータローミングをオフ
3. eSIM回線のデータローミングをオン
4. モバイルデータ通信の優先回線をeSIMに設定
5. 機内モード解除後に接続確認
旅行の通信環境を快適にするアイテム
eSIMやSIMだけでなく、通信環境を整えるアイテムも揃えておくと安心感が違います。特に長期旅行や仕事を兼ねた旅行では、ちょっとした周辺機器が意外と活躍します。
モバイルバッテリー
海外旅行中はマップやカメラでスマホの電池消耗が激しくなります。eSIMで常時接続していると、バッテリーの減りもやや早くなる傾向が。10,000mAh以上のモバイルバッテリーを1つ持っておくと、丸一日の観光でも安心です。
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SIMカードケース・SIMピン
物理SIMを使う場合、日本のSIMカードを保管するケースは地味に必需品。なくしてしまうと帰国後に面倒なことになります。SIMピンも予備を持っておくと、空港で慌てずに済みます。
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海外対応の電源タップ
スマホだけでなく、モバイルバッテリーやカメラの充電も必要。変換プラグ付きの電源タップがあれば、ホテルのコンセントが少なくても複数デバイスを同時に充電できます。USB-AとUSB-Cポート付きのものが便利。
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首掛けスマホストラップ
海外ではスマホのスリ・ひったくり被害が日本より多いです。観光中にマップを頻繁に確認するなら、首掛けやショルダータイプのスマホストラップをつけておくと安心。落下防止にもなるので、一石二鳥です。
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データ通信費を抑えるための小ワザ
オフラインマップを事前にダウンロード
Googleマップは、エリアごとにオフラインマップをダウンロードしておけます。渡航先のマップを日本にいるうちにダウンロードしておけば、通信量をかなり節約できます。特にデータ容量が限られているプランを使う場合は、やっておいて損はありません。
やり方は簡単で、Googleマップで目的地を表示→右上の「…」→「オフラインマップをダウンロード」を選ぶだけ。1エリアあたり100〜300MB程度の空き容量が必要です。
SNSの自動再生をオフにする
意外とデータを食うのがInstagramやTikTokの動画自動再生。設定から「Wi-Fi接続時のみ自動再生」に変更しておくだけで、かなりの通信量を節約できます。
ホテルのWi-Fiを活用する
当たり前のようで忘れがちなのが、ホテルのWi-Fi。写真のバックアップやアプリのアップデートはホテルのWi-Fiで済ませて、外出中のeSIMはマップや検索など必要な通信だけに使う。これだけで1GBのプランでも3〜4日は持ちます。
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まとめ
- 2026年現在、海外旅行の通信手段はeSIMが主流になりつつある
- 初心者や英語が不安な人はtrifa(日本語完全対応)がおすすめ
- データ無制限で使いたいならHolafly、とにかく安く済ませたいならきもちeSIM
- eSIMの設定は日本にいるうちに済ませておくのが鉄則
- データローミングのオン/オフ設定は帰国後の高額請求を防ぐために必ず確認
- オフラインマップの事前ダウンロードなど、通信量節約の小ワザも活用すると安心
海外旅行のネット環境は、事前準備さえしておけば現地で困ることはほぼありません。自分の渡航先・期間・使い方に合ったサービスを選んで、ストレスフリーな旅を楽しんでください。
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