ヨーロッパ旅行、スマホの通信手段はどうする?
ヨーロッパ旅行の計画を立てていると、航空券やホテルの手配に気を取られがちですが、意外と悩むのが「現地でのスマホ通信」ではないでしょうか。地図アプリでの移動、レストランの検索、SNSへの投稿など、旅先でもスマホは欠かせない存在です。
しかし、海外でのデータ通信にはさまざまな選択肢があり、「物理SIMとeSIMの違いがわからない」「どのサービスが安くて使いやすいの?」「複数の国をまたぐ場合はどうすればいい?」といった疑問を持つ方も多いはずです。選び方を間違えると、高額な請求が届いたり、肝心なときに通信が使えなかったりすることもあります。
この記事では、ヨーロッパ旅行で使えるSIM・eSIMの基礎知識から、主要サービスの料金比較、自分に合ったプランの選び方、さらに設定手順まで詳しく解説します。初めて海外SIMを使う方でも安心して準備できるよう、わかりやすくまとめていますので、ぜひ旅行前の参考にしてください。
海外でスマホを使う方法と特徴を比較
主な通信手段は4つ
ヨーロッパ旅行中にスマホでインターネットを使う方法は、大きく分けて以下の4つがあります。
- 海外用レンタルWi-Fi:ルーター端末を借りて持ち歩く方法。複数人でシェアできるが、荷物が増える
- キャリアの海外ローミング:契約中の携帯会社の海外プランを利用する方法。手軽だが割高になりやすい
- 物理SIMカード:現地や事前に購入したSIMカードを端末に差し替える方法
- eSIM:端末に内蔵されたデジタルSIMにプランをダウンロードする方法。SIMカードの差し替えが不要
近年はeSIMの普及が進み、手軽さとコストパフォーマンスの良さから、海外旅行での通信手段としてeSIMを選ぶ方が急増しています。
物理SIMとeSIMの違い
物理SIMとeSIMの最大の違いは、カードの差し替えが必要かどうかです。物理SIMは小さなカードを端末のSIMトレイに挿入して使いますが、eSIMはスマホ本体に内蔵されたチップにプロファイル(通信情報)をダウンロードするだけで利用開始できます。
それぞれのメリット・デメリットを整理すると、次のようになります。
- 物理SIM:対応端末が幅広い、空港の自販機や現地ショップでも購入できる。一方でSIMカードの紛失リスクや、差し替え時にピンが必要といった手間がある
- eSIM:オンラインで購入・設定が完了し、出発前に準備できる。日本のSIMを抜く必要がなくデュアルSIM運用が可能。ただし対応端末が限られる
eSIM対応端末の確認方法
iPhoneはXS/XR以降、AndroidはGoogle Pixel 4以降やGalaxy S20以降などがeSIMに対応しています。「設定」アプリから「モバイル通信」や「SIMカード」の項目を開き、「eSIMを追加」といったメニューが表示されれば対応端末です。渡航前に必ず確認しておきましょう。
ヨーロッパ旅行ならではの注意点
ヨーロッパは多くの国が隣接しているため、複数の国を周遊するケースが多いのが特徴です。そのため、1カ国のみ対応のSIMではなく、ヨーロッパ全域をカバーするマルチカントリープランを選ぶことが重要になります。
EU圏内では「ローム・ライク・アット・ホーム」という規制により、EU加盟国間のローミング追加料金が撤廃されています。そのため、ヨーロッパ向けのSIM・eSIMの多くはEU主要国を含む30〜40カ国以上で使えるプランが主流です。ただし、イギリス、スイス、トルコなどEU非加盟国は対象外となるプランもあるため、訪問先がカバーされているかを必ず確認してください。
eSIM・SIMの主要サービスを徹底比較
eSIMサービスの特徴と料金目安
ヨーロッパ旅行で人気のeSIMサービスを比較してみましょう。料金やデータ容量はプランにより異なりますが、代表的な内容を紹介します。
- Airalo(エラロ):世界200以上の国と地域に対応する大手eSIMサービス。ヨーロッパ向けは1GBで約5ドルからとリーズナブル。アプリの操作性も高く、初心者にもおすすめ
- Holafly(オラフライ):データ無制限プランが特徴。ヨーロッパ向けは5日間で約2,700円前後から。動画視聴やSNS投稿が多い方に向いている
- Ubigi(ユビジ):フランス発のeSIMサービスで、ヨーロッパでの通信品質に定評がある。3GBで約1,500円前後からの設定
- trifa(トリファ):日本企業が運営する日本語完全対応のeSIMサービス。サポートも日本語で受けられるため、英語に不安がある方でも安心
物理SIMカードの選択肢
eSIM非対応の端末を使っている場合は、物理SIMカードが選択肢になります。
- 現地キャリアのプリペイドSIM:空港や市内のショップで購入可能。Vodafone、Orange、Threeなどヨーロッパの大手キャリアが提供している
- Amazon等で事前購入:日本国内で事前にヨーロッパ対応のSIMカードを購入しておく方法。到着後すぐに使え、現地でショップを探す手間が省ける
- Three(スリー)のプリペイドSIM:イギリスのキャリアThreeが提供するSIMは、ヨーロッパ主要国でのローミングに対応しており、周遊旅行に人気
携帯キャリアの海外プランとの比較
日本の大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)も海外ローミングプランを提供しています。たとえば、ドコモの「世界そのままギガ」は1日980円から利用できますが、7日間で約6,860円、14日間で約13,720円とeSIMと比べると割高になりがちです。
一方で、申し込みの手軽さや日本の電話番号がそのまま使える点はキャリアプランの大きなメリットです。短期間の渡航で、設定の手間を最小限にしたい方には検討の価値があります。
コスト比較の目安(7日間・ヨーロッパ周遊の場合)
eSIM(Airalo等):約1,500〜3,000円(3〜5GB)
物理SIM(事前購入):約2,000〜4,000円(5〜10GB)
キャリア海外プラン:約5,000〜7,000円
レンタルWi-Fi:約5,000〜8,000円(端末レンタル料込み)
データ使用量や渡航日数によって最適な選択肢は変わりますが、コスト面ではeSIMが最もお得な傾向にあります。
自分に合ったプランの選び方
渡航日数で選ぶ
旅行の日数によって、最適なプランは異なります。目安として以下を参考にしてください。
- 3〜5日間の短期旅行:1〜3GB程度のプランで十分なことが多い。地図検索やSNS投稿が中心なら、1日あたり200〜500MBが目安
- 7〜14日間の中期旅行:5〜10GBのプランがおすすめ。複数都市を周遊する場合は、移動中の地図利用でデータ消費が増えやすい
- 15日間以上の長期旅行:10GB以上、またはデータ無制限プランが安心。現地のカフェやホテルのWi-Fiも活用すればデータ節約になる
データ使用量の目安を知る
自分がどれくらいデータ通信を使うかわからない場合は、普段のスマホの使い方から逆算してみましょう。
- Google マップのナビ利用:1時間あたり約5〜10MB
- SNS(Instagram等)の閲覧・投稿:1時間あたり約100〜200MB
- LINEのメッセージ・通話:テキストはごくわずか、音声通話は1時間あたり約20MB
- 動画視聴(YouTube等):1時間あたり約500MB〜1GB
旅行中はホテルやカフェのWi-Fiを併用することが多いため、動画視聴をWi-Fi環境で行えば、1日あたり500MB〜1GB程度で十分に過ごせるケースがほとんどです。
訪問国と対応エリアで選ぶ
前述のとおり、ヨーロッパ向けプランといっても対応国はサービスによって異なります。特に以下の国を訪れる予定がある場合は、カバーされているか必ず確認しましょう。
- イギリス:EU離脱後もほとんどのeSIMサービスでカバーされているが、一部プランでは対象外
- スイス:EU非加盟国のため、別途料金が発生するプランがある
- トルコ:ヨーロッパ向けプランに含まれないことが多い。トルコ単体のプランを別途用意する必要がある場合も
- アイスランド、ノルウェー:EUには加盟していないがEEA(欧州経済領域)に含まれるため、多くのプランでカバーされている
SIMロック解除を忘れずに
海外のSIMカードやeSIMを使うには、端末のSIMロックが解除されている必要があります。2021年10月以降に発売された端末は原則SIMフリーですが、それ以前に購入した端末はキャリアのWebサイトやショップでSIMロック解除の手続きが必要です。渡航直前に気づくと対応が間に合わないこともあるため、早めに確認しておきましょう。
おすすめのeSIM・SIM関連アイテム
ここからは、ヨーロッパ旅行の通信環境を整えるために役立つアイテムを紹介します。事前に準備しておくことで、現地での通信トラブルを防ぐことができます。
ヨーロッパ対応プリペイドSIMカード
eSIM非対応の端末を使っている方や、物理SIMのほうが安心という方には、日本で事前に購入できるヨーロッパ対応のプリペイドSIMカードがおすすめです。到着後すぐにデータ通信を開始でき、空港でショップを探す手間も省けます。
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SIMカードケース・ピンホルダー
物理SIMを使う場合、日本のSIMカードを取り出して保管する必要があります。小さなSIMカードは紛失しやすいため、専用のケースがあると安心です。SIM取り出し用のピンも一緒に収納できるタイプが便利です。
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海外対応モバイルバッテリー
海外旅行中はスマホの利用頻度が高くなり、バッテリーの消耗も早くなります。特にeSIMでデータ通信を頻繁に使う場合や、GPS・地図アプリを常時利用する場合は、モバイルバッテリーの携帯が必須といえます。飛行機への持ち込み規定を満たした容量のものを選びましょう。
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海外用変換プラグ
ヨーロッパのコンセントは日本と形状が異なります(主にCタイプやBFタイプ)。スマホやモバイルバッテリーを充電するためには変換プラグが必要です。複数の国を周遊する場合は、マルチタイプの変換プラグを1つ持っておくと、どの国でも対応できます。
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海外旅行用ポーチ・パスポートケース
SIMカードや変換プラグ、充電ケーブルなどの小物をまとめて管理できるトラベルポーチがあると、旅行中の整理整頓に役立ちます。パスポートやクレジットカードも一緒に収納できるタイプを選べば、貴重品の管理もしやすくなります。
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eSIMの購入から設定までの手順
出発前の準備(購入・インストール)
eSIMの設定は難しそうに感じるかもしれませんが、実際の手順はシンプルです。以下の流れで進めましょう。
- サービスを選んでプランを購入:各eSIMサービスのWebサイトまたはアプリから、ヨーロッパ向けプランを選択して購入する
- QRコードを受け取る:購入後、メールまたはアプリ内にeSIMのQRコードが届く
- eSIMをインストール:スマホの「設定」から「モバイル通信」→「eSIMを追加」を選択し、QRコードを読み取る
- 通信プランに名前をつける:「旅行用」「ヨーロッパ」など、わかりやすいラベルを設定しておくと管理しやすい
多くのeSIMサービスでは、インストール後すぐにアクティベートされるタイプと、現地でデータ通信を開始した時点からカウントが始まるタイプがあります。出発前にインストールしておきたい場合は、後者のタイプを選ぶと有効期限を無駄にしません。
現地到着後の設定
現地に到着したら、以下の手順でeSIMの通信を有効にします。
- 機内モードを解除する
- 「設定」→「モバイル通信」から、eSIMの回線をオンにする
- データローミングをオンにする(eSIMの場合、この設定が必要なことが多い)
- ブラウザを開いて通信できることを確認する
日本のSIMも入れたままにしておけば、日本からの電話やSMS(認証コードなど)を受信しながら、データ通信はeSIM側で行うというデュアルSIM運用が可能です。
トラブルシューティング
通信がうまくつながらない場合は、以下の対処法を試してみてください。
- 端末を再起動する:最も基本的かつ効果的な方法
- データローミングがオンになっているか確認:eSIMの場合、この設定がオフのままだと通信できない
- APN設定を確認する:サービスによっては手動でAPN(アクセスポイント名)を設定する必要がある
- ネットワークを手動選択する:「設定」→「モバイル通信」→「ネットワーク選択」で、利用可能なキャリアを手動で選んでみる
- サポートに問い合わせる:多くのeSIMサービスはチャットサポートを提供しており、リアルタイムで対応してもらえる
データ残量の確認方法
旅行中にデータ残量が気になったら、利用しているeSIMサービスのアプリを開けば残量を確認できます。また、iPhoneの場合は「設定」→「モバイル通信」で各回線の使用量を確認できます。データ残量が少なくなったら、追加データパッケージを購入するか、Wi-Fi環境を積極的に活用しましょう。
まとめ
ヨーロッパ旅行のSIM・eSIM選びのポイントをまとめます。
- コストと手軽さを重視するならeSIMが最もおすすめ。オンラインで購入・設定が完了し、日本のSIMを入れたまま使える
- eSIM非対応の端末を使っている場合は、日本で事前に購入できるヨーロッパ対応プリペイドSIMが便利
- 複数の国を周遊する場合は、訪問予定国がすべてカバーされているかを必ず確認する
- データ容量は旅行日数と使い方に合わせて選び、Wi-Fiの併用でデータ節約も意識する
- SIMロック解除の確認やeSIMのインストールなど、出発前の準備を早めに済ませておくことが大切
- モバイルバッテリーや変換プラグなど、通信環境を支える周辺アイテムもあわせて準備しておくと安心
快適な通信環境は、ヨーロッパ旅行をより楽しく、スムーズにしてくれます。自分の旅行スタイルに合ったSIM・eSIMを選んで、万全の準備で出発しましょう。現地での素敵な体験を、リアルタイムで大切な人と共有できる喜びは、旅の思い出をさらに豊かなものにしてくれるはずです。
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